微分値積分値の意味と求め方

微分積分って高校の数学でやりますが、こんな風に思ってました。

「これを勉強して一体何の役に立つんだ?」

と。

しかし、制御関係のソフトウェア開発に携わるようになって

「これ無茶苦茶重要なやつだ!」

と、考え方が一変しました。

ということで、ここでは微分積分についてSimulinkモデルを使って改めておさらいしてみたいと思います。

なお、ここで説明するものは小学生で習う算数の知識のみで十分理解できるような内容です。

\(f'(x)=\lim _{h\rightarrow 0}\frac {f(x+h)-f(x)} {h}\)

こういうやつは出てこないので安心してください!

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微分の方法

微分をする方法は以下の通りです。

今回観測した値から前回観測した値を引く

これだけです。 微分するとは、つまりたった今観測した値が前に値を観測してからどれだけ変化したかを求めることとなります。

例えば、先月の残高が3万円で今月の残高が5万円なら、微分値は2万円となります。

逆に今月の残高が2万円なら微分値は-1万円です。

これをSimulinkのモデルで表すとこんな感じです。

微分を行う目的

微分の目的は色々あると思いますが、一つ挙げるとするなら今後の目標を立てるための材料として未来を予測するためではないでしょうか。

未来がどうなるか分からないですが、10万円貯金するという目標があった場合に、少なくとも1月で20000円貯金した人のほうが10000円マイナスになってしまった人より目標金額に到達するのは早そうですよね。

また、1年で60万円貯金すると目標を掲げているのに1ヶ月で3万円しか残高が増えなかったら来月から貯金のペースを上げないといけないとも分かります。

積分の方法

積分値の求め方は以下の通りです。

今まで観測した値を全部足す

例えば1年前から1カ月に2万円貯金しているのであれば、積分値は24万円となります。

これをSimulinkのモデルで表すとこんな感じです。

積分を行う目的

積分の目的も色々あると思いますが、一つ挙げるとするなら 今後の目標を立てる材料として過去を振り返るためではないでしょうか。

1年で100万貯金しようとしている人が6カ月経ってもまだ30万円しか貯まっていなかったら、貯金のペースを上げないといけないことが分かります。

また、5カ月間で70万円溜まっているなら、たとえ6カ月目に72万円にしかならなくてもそんなに焦って貯金のペースを増やす必要がないことも分かります。

微分と積分の違い

微分も積分も今後の目標を立てる材料になると書きましたが、ここで両者の違いをメリットとデメリットで表してみたいと思います。

微分のメリット

・未来予測して目標設定を行うため素早く目標を変えることができる。

微分のデメリット

・未来予測がずれると目標自体も正しくなくなる。

積分のメリット

・過去のデータを積み重ねるため、ある程度正確な目標設定が行える。

積分のデメリット

・データを積み重ねないといけないため、現状が急変した場合に目標設定が遅れてしまう。

このように片方のメリットはもう片方のデメリットを補うという関係にあるので微分も積分もどちらが優れているということは言えません。

どちらも適切に使うことでより正しい目標を設定することができます。

微分積分のまとめ

今回は微分積分の基礎を見てみました。微分積分は数式や定義を見ると頭の中が?マークでいっぱいになってしまいそうになりますが、言っていることはとても単純です。

もちろんもっと掘り下げていけばどれだけでも掘り下げていけますし、そもそも僕自身もそんなところまで全然理解が追い付いていません。しかし、初めはこの程度の知識を持っておくだけで十分だと思います。

この微分積分が使われる有名なフィードバック制御がPID制御ですが、これも微分の「素早く目標設定できる」という特徴、積分の「正確に目標設定できる」という特徴がどちらも利用されています。

この説明で微分積分理解の第一歩になればなれば幸いです。

また、それ以上のことに興味が出てきたらぜひ更に踏み込んで勉強してみてください!

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