自動車のエンジン回転数と速度の関係

仕事中に会社の後輩から

「車速からエンジン回転数求める場合ってギア比かけるんでしたっけ?割るんでしたっけ?」

と質問されたときに一瞬「あれ、どっちだっけ?」ってなってしまいました。

ということで今回はエンジン回転数と速度の関係を個人的メモとして残しておこうかと思います。

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エンジン回転数⇔速度に変換する式

まず、ずばり回転数から速度に変換する式を記載します。なお、ここではトルクコンバーターについては考えません。とりあえずロックアップしているものとします。

\(車の速度[km/h]=\frac{エンジン回転数[rpm] \times タイヤの円周[m] \times 0.06}{変速比 \times 最終減速比} \)

逆に速度から回転数に変換するには

\(エンジン回転数[rpm]= \frac{車の速度[km/h] \times 変速比 \times 最終減速比}{タイヤの円周[m] \times 0.06}\)

となります。

なぜそうなるのかは以下で確認していきたいと思います。

ギア比(歯車比)とは

ギア比とは、力を働かせる側の歯車を何回回せば繋がっている側の歯車が1回転するのかを表しています。

例えばギア比が3であれば、力を働かせる側の歯車を3回転させることで繋がっている側の歯車が1回転することになります。

ペダルを3回こいだらタイヤが1回転するようなイメージです。

ギア比が高ければ高いほど少ない力で回転させることができますが、その代償として繋がっている側の回転速度は低下します。

自転車を漕ぐ時、ギアの段数を低くしたらギア比が上がるのでペダルが凄く軽くなりますが、早くペダルをこいでもスピードが全然出ないのはそのためです。

逆にギアの段数を高くするとギア比が下がるのでペダルを早く漕がなくてもタイヤが早く回るのでスピードが出ます。その代わりに力を入れないとペダルが回らなくなります。

自動車のギアについて

自動車はエンジンが燃焼し、最終的にタイヤが回転することで前に進みますが、エンジンからタイヤまでの間に2つのギアを経由します。

トランスミッション

一つ目はトランスミッションです。車に詳しい方でなくても聞いたことがあると思います。

1速とか2速とか言うあれです。ミッション車であれば自分で操作しますが、AT車なら自動的にいい感じにやってくれます。

トランスミッションのギア比は変速比と呼ばれています。

止まっている状態から動き出すときには力が必要なのでギア比が高い1速にして発進させます。

しかしそのままでは全然スピードが出ないので徐々に2速、3速、4速とシフトを上げて、つまり徐々にギア比を下げていきます。

ギア比を下げるとより強い力を加えないと回転しなくなるのですが、回転している状態であれば慣性の力が働くので、エンジンの力が少なくても回転させることができます。

デファレンシャルギア

そしてもう一つがデファレンシャルギア、通称デフです。

車好きな人なら当然知ってるよって感じかもしれませんが、車に興味ない人は全く聞いたことないものかと思います。

少なくとも僕はこの業界に入るまで車に全く詳しくなかったので聞いたことがありませんでした。。。

デファレンシャルギアについて詳細は省きますが、主にタイヤを旋回するために用意されています。

デファレンシャルギアのギア比は最終減速比とも呼ばれていて、トランスミッションのようにギア比を変更できる仕組みにはなっておらず、クルマによって固定です。

まとめると、エンジンの回転数はまずトランスミッションにより変化し、タイヤが回転する直前でデファレンシャルギアによりもう一回変化します。

これを基にしてエンジン回転数から車速の変換を考えてみたいと思います。

エンジン回転数から車速の変換

エンジン回転数は最初にトランスミッションにより回転数が変化します。

ギア比は”力を働かせる側の歯車を何回回したら繋がっている側の歯車が1回転するか”を表したものです。

ということで、トランスミッション経由後の回転数は以下のように表すことができます。

\(トランスミッション経由後の回転数=\frac{トランスミッション経由前の回転数(エンジン回転数)}{変速比}\)

同じようにデファレンシャルギア経由後の回転数は以下のように表すことができます。

\(デファレンシャルギア経由後の回転数(タイヤの回転数)=\frac{トランスミッション経由後の回転数}{最終減速比}\)

上記二つをギュッと一つにすると、エンジン回転数とタイヤの回転数の関係は以下のようになります。

\(タイヤの回転数=\frac{エンジン回転数}{ギア比 \times 最終減速比}\)

これでエンジンの回転数とタイヤの回転数の関係が求まりました。

あとはタイヤの回転数を速度に変換することを考えます。

タイヤが1回転するとタイヤの円周分だけ前に進みます。ということはタイヤがN回転した場合は

N×タイヤの円周

だけ前に進むということになります。そのため、エンジン回転数と速度の関係は以下のようになります。

\(車の速度[km/h]=\frac{エンジン回転数[rpm] \times タイヤの円周[m] \times 0.06}{変速比 \times 最終減速比} \)

最後の0.06は単位合わせです。rpmは1分間に何回転するかを表していて、タイヤの円周はメートルなので、かけると分速○メートルとなります。

これを時速にしたいのでまず分を時間にするため60倍し、更にメートルをキロメートルに換算するため1000で割ります。なので0.06倍しています。

車速からエンジン回転数の変換

車速からエンジン回転数の変換ですが、エンジン回転数から車速を求める式を変形すると求まります。 具体的には以下の通りです。

\(エンジン回転数[rpm]= \frac{車の速度[km/h] \times 変速比 \times 最終減速比}{タイヤの円周[m] \times 0.06}\)

タイヤ円周の求め方

ついでにタイヤの円周の求め方も書いておきます。タイヤのスペックは”215/45R17″のように書かれています。数値の意味はそれぞれ

215・・・断面幅[mm]

45・・・扁平率[%]

17・・・ホイールサイズ[inch]

を表しています。これらの数値からタイヤ円周を以下の式で求めることができます。

タイヤ円周[m]=(\(\frac{断面幅[mm] \times 扁平率[\%]}{100000} \times 2 + ホイール径[inch] \times 0.0254) \times 円周率\)

参考ページ:https://tire.bridgestone.co.jp/about/knowledge/size/index.html

実際にエンジン回転数から速度を計算

実際にエンジン回転数から速度を求めてみましょう。

サンプルとして、マツダCX-5のスペックから出してみたいと思います。なぜCX-5を選んだかというと理由は単純で、自分が乗っているからです。

CX-5のスペックはマツダのページによると以下の通りです。

ここに変速比と最終減速比が掲載されています。ここから2DW/XDのデータを拝借して計算してみたいと思います。

タイヤの円周は、純正のタイヤサイズが”225/65R17″らしいのでこれをざっくり円周換算して2.275[m]とします。

3速で2000回転の場合

3速の場合は変速比が1.449で、最終減速比は4.090と記載されています。またタイヤの円周は2.275[m]と求めています。これを先ほど求めた式に代入すると

\(車の速度[km/h]=\frac{2000 \times 2.275 \times 0.06}{1.449 \times 4.090}≒46.1[km/h]\)

と求めることができました。

実際あっているかの確認ですが、こちらのサイトにズバリエンジン回転数から速度を求める計算機がありましたので有難く使わせていただきたいと思います。

[計算機] エンジン回転数 から 車の速度 を計算
エンジン回転数 から 車の速度 を計算します。ギア比やタイヤの大きさによって速度が変わるので、計算するためにはそれらの情報も必要です。回転数...

条件を入力したところ、確かに46.1[km/h]と出てきました。

6速で120[km/h]の場合

今度は逆に速度からエンジン回転数を求めてみます。高速道路の一部区間では120キロ出しても良いらしいですね。

6速の場合は変速比が0.600で、最終減速比、タイヤの円周は先ほど同様それぞれ4.090、2.275です。これを先ほど求めた式に代入すると

\(\)エンジン回転数[rpm]=\frac{120 \times 0.600 \times 4.090}{2.275 \times 0.06}≒2157.4[rpm]

と求まりました。

これも先ほどのサイトで確認すると合っていそうです。

エンジン回転数と速度の関係についてのまとめ

エンジン回転数と速度の変換式を求めてみました。

こんな計算する必要あるの?という気もするのですが、これが意外にも使う機会がちょいちょいあったりします。

もちろん暗記なんてする必要もないのですが、回転数を速度に変換する必要になったとき「そういえば変換できたよな」程度に思い出してもらえたらと思います。

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